ベロア

比較的毛足が長く、密な「よこパイル織物」のことで、フランス語ではベルベットといいます。
元未は絹のよこ糸をパイル毛にした、よこパイル織物のことを指します。
このため、フランスでは綿でできた別珍一べっちん)のことをベロア・ド・コットンと呼んで別しています。
しかし、日本では通常、別珍の毛足の長いものだけをべロアといっています。パイルがループになったものと、ループを切り開いて毛羽を出し、2枚のカットパイル織物を作るものとがあります。
現在では絹糸のほか、綿糸や化学繊維を用いたり、これらを交織して作られるため、多くの種類があります。
なお、「ベロア仕上げ」とは、起毛して立てた毛羽を刈りそろえビロードに似た織物にする仕上げのことで、毛布などにみられますが、パイル織物とは構造的に異なったものです。