キャメル

中近東、中央アジアの砂漢地帯に生息する、ふたこぶラクダ(背中にこぶが2つあるラクダ)から採れる獣毛を、キャメルといいます。
生産量は羊毛のわずか約O.14%程度と極めて希少で、現在では、中国と外モンゴルで世界の総生産量約伽万kgの90%を占めています。
ふたこぶラクダの生息地は、.夏の気温が40-45度まで達し、冬はマイナス35-40度まで下がります。また、降雨量が極端に少なく、1日の寒暖の差が40度以上にもなる厳しい白然環境に適応するため、キャメルの毛の中心組織は、小さな穴がたくさん空いた海綿状になっています。
この中の空気が温められることによって、優れた保温性が生まれます。キャメルの柔らかい毛は15-24ミクロンとウールよりも細く、カシミヤと同じように軽くてしなやかです。
脱色できず、染色性が悪いので、ほとんどが本来の暗褐色のまま使われています。
寝装品では、高級毛布の素材のほか、敷きふとんや枕の詰めものとして使われています。