セリシン
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繭糸は中央にある2本のフィブロインと、それを取り巻くセリシンからできています。
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蚕は繭の中にいて糸を吐くので、その姿は繭が厚くなると見えなくなります。
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蚕が吐き続けた糸をほぐしてみると、1本の長さは普通1,200-1,300m、直径は0.002mmくらいです。セリシンは熱湯やセッケン水に溶けるタンパク質で、繭を水に入れて煮ると、その一部が溶けて繭糸がほぐれやすくなります。その後、糸の太さに応じて、必要個数の繭から繭糸を繰り出し1本に集めます。すると、セリシンは再び冷えて固まり、数本の繭糸が1本にまとまります。
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このようにして糸を作る方法を製糸といい、できた糸は生糸と呼ばれます。さらに、生糸を弱アルカリ液で煮沸し、セリシンを除去することを精錬といい、これにより、絹特有の光沢としなやかさをもったフィブロイン(絹繊維)があらわれます。
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このように、セリシンは従来、絹繊維を取り出す際に捨てられる部分でした。しかし、繭糸を構成するタンパク質の中でも、人肌によく似たアミノ酸を多く含むことから、その利用が考えられるようになりました。
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セリシンを繊維にコーティングした、セリシン加工のタオルケットや、繭全体の成分を超長綿に取り入れた羽毛ふとんの側地などがあります。