和とじ

 "和とじ"とは、和式の綿ふとんなどを作るとき、中のわたが移動しないように、表地とわた、それに裏地とを"とじ糸"で縫い合わせる方法です。和とじは、綿や麻、真わたなどの掛け・敷きふとんや、座ぶとんに用いられます。羊毛・羽毛の掛け・敷きふとんには、和とじではなく、主にミシンによるキルティングが施されます。
 和とじには四隅を縫い合わせる"角とじ"と、平面の数カ所(座ぶとんはーカ所)を止める"中とじ"があります。とじ糸が側地に対して弱いと、ふとんを使っているうちに切れ、わたが側地の中で動いたり、また、あまり太いとじ糸を使うと、側地に穴をあけてしまうことがあります。掛けふとんの角とじでは、ふとんの先端までわたを入れますが、敷きふとんや座ぶとんの角とじでは、ふとんの厚みや暖かさを出すために、角をつぶすこともあります。また、座ぶとんの中とじには、"十文字とじ"や、"三つ又とじ"が用いられます。
 なお、とじ糸の結び方は、伝承や地域により、いろいろな方法があります。