カシミヤ

カシミヤは、元米インド・パキスタンの国境に広がるカシミール高原にいたヤギの毛です。その毛がシルクロードを通じてローマヘ運ばれ、珍重されるようになり、やがて「カシミヤ」と呼ばれるようになりました。現在は中国、モンゴル、イラン、トルコ、アフガニスタン、シベリア、カザフスタンなどが主な生産地です。
カシミヤは軽く、絹のような光沢と独特のヌメリ感があり、保温性・吸湿性に優れています。色はブラウン、グレー、ホワイトなどがあり、中でもホワイトが最上のものとされています。
手作業で刈りとられる産毛量は、1頭平均150~250gとごくわずかなため高価ですが、毛布やコート、マフラーやセーターなどに多く使われています。年問産毛量の60%が中国、25%がモンゴル、15%がイランその他で生産されており、それぞれ繊維や色に特徴があります。中国産のカシミヤは、ブラウンやホワイトが多く、他の地域のものよりも繊維が細く、ヌメリ感が強いのが特徴です。モンゴル産は濃いブラウンが多く、中国産に比べて繊維はやや太めです。毛足が長いので、厚手のセーターや防寒コートに適しています。
イラン産は繊維が太く、耐久性や復元力が優れています。ダークブラウン、ライトブラウン、クリーム、グレーなど、色の種類も豊富です。シベリア産のカシミヤは、厳寒地に生息しているため、透き通るような光沢のある白さが特徴です。繊維は太いのですが、独特の柔らかさとヌメリ感があります。